アート喫茶オリーブ 予定表ブログ

六甲にあるアート喫茶オリーブの開催予定。

ラテン的悲劇を鑑賞した春一番ミュージックサロン!

本当に春はもうすぐ!という空気になってきましたが、
皆様いかがお過ごしですか?
とはいうものの、花粉症でお悩みの方にとっては、
複雑な季節でもありますよね。
ところで、今回はイタリアオペラでも、なかなか珍しい
シチリア(あのマフィアの棲む島です!)を舞台にした歌劇
「カヴァレリア・ルスティカーナ」を鑑賞致しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まあ、あらすじはいかにも情熱のラテン的なものでして、
要するに、恋人の元彼女との浮気に業を煮やした女が二人の
不倫行為を元彼女の夫に密告して、そのために血の気の多い
シチリア男二人が決闘することになって、浮気男が殺される話
なんですが、なんか、音楽的迫力も凄いもんでして・・・
何を隠そう、このオペラを作曲したピエトロ・マスカーニという
人もなかなかドラマチックな人生を歩んだようで、比較的近年の
作曲家らしく、ファシズム時代のイタリアでミラノスカラ座
地位を得るために、ムッソリーニに接近していたがために、
晩年は「財産没収」されるなどして、失意のうちに他界し、
このオペラともうひとつくらいを除くと、彼のオペラは現在では
ほとんど上演されていないそうです。残念ですね。

さらに、今回鑑賞したオペラ映像を演出・監督したという同じく
イタリア人のフランコ・ゼッフィレッリも、なかなかの有名人でして、
かの有名なヴィスコンティの弟子のようなお方だったそうで、
それこそ、プラシド・ドミンゴが若い時に見出したり、マリア・カラス
仲良しだったり、ありとあらゆる西欧社会の上流の芸術家と交流が
あったような人だけに、実際、作品の中の衣装やシチリアの風土の
再現なども、さすがに素晴らしく一流のものでした。

しかも、このオペラの間奏曲の美しさときたら、多分どんな人でも
「音で描いた叙情的風景」とでもいうような屈指の名曲ですので、
色んなところで、この部分だけが使われているためか、私でも
聴いたことがあるくらいでした。しかし、前編を通して聴くと
さらに違う感慨がありますね!

このような見事な音楽映像を鑑賞後、お土産に頂いた
ここ六甲でも有名な御菓子店(洋菓子屋激戦区の老舗)
アナベルのタルトと、解説者の手作りアップルパイを皆で美味しく頂いて、
優雅な土曜の午後のひと時を過ごしたというわけでございます。
*********************************
次回のミュージックサロンは、4月26日土曜日午後2時。
ラファエル・クーベリック指揮のチェコフィルハーモニー演奏で
スメタナの連作交響詩「わが祖国」全6曲(第2曲が有名な「モルダウ」)
を鑑賞する予定です。この映像は、プラハの春というチェコの恒例行事に
なっている音楽祭典の過去の記録で、なかなか貴重なフィルムらしいので、
ご関心のある方は、是非ご参加下さい。